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【本】北欧のノーマライゼーション

「北欧のノーマライゼーション エイジレス社会の暮らしと住まいを訪ねて」
田中一正 (著)
TOTO出版

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「北欧の福祉」に関する精神性,その実現のための努力,そして実際が記されている。筆者も文中で述べているように短期滞在の中での調査なので一側面を捕らえただけなのかもしれないが,日本の将来を考えるひとつの手本として考える材料が多く提示されている。
スウェーデンやデンマークでは,人間の1人1人が若者や老人,男女の違いなく,生活を楽しんでいる。
年老いてこそ,人生を楽しむことに誇りを持っている。
文中に写真も多く,ビジュアル的にも把握しやすい。純粋に,デザインを見ているだけでも楽しい。
グループホームの写真は,説得力が高い。
日本でのいわゆる「北欧デザイン」がなされたグループホームが,街の形成と共に成り立っていて,そこの老人に心の奥からの笑顔がある。日本にいる我々は,それを社会制度も何もが違う国の事と突き放すのではなく,その深いところから何かを学ぶ時が来ているのではないだろうか。
そんなことをこの本は伝えてくれる。

物質的所有による豊かさは,あくまで副次的なものでしかないというのが自分自身の持論。北欧の人々の,真の豊かさを追求する精神性は,日本に多くある「物質主義」とは議論の土台が違う感じがする。
北欧の人々の多くが,高い精神性で高いレベルの議論をしている。結果,良質のサービス,良質の住宅,良質の物が生まれる。
先日スウェーデンとデンマークにに行った際に,現地でお話をさせてもらった人も,そういうことを言っていた。
根本は教育の質にあると強く思う今日この頃。
ちなみに,
1人あたりのGDP(名目)は,
スウェーデン:$49,603
デンマーク:$57,137
日本:$34,296
(2007年JETROデータ)

経済変動が起きる前の年の数字なので,現在は変動はあるだろうが,北欧も日本もそれぞれ下がっているはずなので,相対比はさほど変わっていないのではないかと思う。(最新数字はまだ出ていないけれど,むしろ日本の落ち込み幅が大きいはず)
この数字を見ると,多くのことを考えずにはいられないのです。

 

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